中国日本商会は5月31日、「新型コロナ対策がビジネスに与える影響調査」結果報告を発表しました。
これは、北京で在宅勤務や交通機関の制限などの状況にあった5月19日から23日の間に主に在北京の日系企業を対象に実施したもの。北京でのビジネスが停止した場合の影響や、上海ロックダウンが北京でのビジネスや中国でのビジネスに与える影響、事業面、人の交流、物流、生活面での課題、北京で事業を継続していくのに必要なことなどを聞いています。
北京では、今週から交通機関は回復し、本日から基本的に通常勤務に戻っていますが、一部地域に制限があったり、飲食店の店内飲食ができないなどの課題が残っています。
1.実施趣旨:
(1)中国及び北京における現況把握
(2)ビジネス継続のための対応策の模索と今後の具体的な要望事項の準備
2.期 間:2022年5月19日~23日
3.配信先:中国日本商会会員 577社
4.回答数:85社(名)回答率14.7%
※回答数や回答状況がわかるように、内容が重複していても当該設問に回答があったものをすべて記載。
●北京は5月5日から在宅勤務。(5/30解除)
その間5割の企業は完全在宅勤務。9割超が在宅勤務を実施。6%は一部事業停止
【コロナ対策の影響】
駐在員の臨時帰国を検討していない企業は94%。
投資計画に影響あった企業は15%(「投資が遅れた」8%、「投資が減少」7%)
54%が「まだわからない」と回答。
●記述回答で多かったのは、「帯同家族の招聘状」「隔離期間の短縮」「北京ー日本間の直行便の復便」。
日本の経営トップの経営判断に影響し、「中国事業の撤退、縮小」につながる可能性
●「コロナ感染が怖いのではなく、コロナ対策に巻き込まれるのが怖い」との声がある。
●強制隔離や国内外から北京到着後の追加隔離など、中央政府や市政府の判断や政策を覆す「社区独自の判断による追加の措置」を懸念する声が多く、今後、「企業の操業」、「従業員の生活・出勤」、「物流」の面で大きなビジネス阻害要因になる可能性がある。統一的な運用が必要。
●北京と各都市の往来に制限があると、「地域本社としての機能」を他都市に移転せざるを得ないとの声。
●物流では、トラック、ドライバー、代替倉庫、通行証の手配や手続きに難があるうえにコスト増加。