活動報告

「北京市外との移動規制に係る要望書」を提出(11/11)


 中国日本商会は、1111日北京市政府外事弁公室に「北京市外との移動規制に係る要望書」を提出しました。

 

 これは、1026日から31日にかけて行った「北京市外との往来規制にかかる実態調査」の結果をもとに、会員企業とその従業員・家族が抱える問題点の解決を求めたものです。

 

要望書(日本語)

要望書(中文)

 

(要望内容)

 北京市政府におかれては、日頃から、日系企業の円滑な事業環境の整備に御理解と御尽力を賜っておりますことに、改めて深く感謝申し上げます。

さて、新型コロナウイルス対策に関する諸外国の情勢を見ますと、多くの国において移動規制が廃止されつつあり、ビジネス出張も活発化しております。

一方、日本と中国の往来は、留学生の往来こそ解禁されたものの、他の分野では大きな進展が見られず、会員企業の間では中国ビジネスの先行きの発展を憂慮する声が日増しに強まっています。

特に本年8月以降、北京市外へ移動すると、健康宝に「弾窓」が頻出するようになり、その解除が容易でないこと等から、日本との出張のみならず、中国国内の出張も大きく制限されるなどの影響が出ています。

弊商会が本年10月に行った会員へのアンケート調査(別添参照)によりますと、約88%の会員企業が「北京市の移動制限措置が合理的でない」との認識を示しており、また、約96%の会員企業が「北京市の移動制限措置は事業活動に悪影響がある」と回答しています。

我々は、首都である北京市において、相対的に厳しい新型コロナウイルス対策が求められることはある程度理解いたしますが、北京市は我々にとってビジネス活動の中心地であり、合理的でない移動制限は、北京市の経済活動に負の影響しかもたらさないことは明らかです。

 会員各社の中国人・日本人社員は中国経済に貢献する強い意欲を持って働いており、彼らが十分に能力を発揮して事業活動に従事できるよう、以下のとおり、移動規制に係る緩和を要望申し上げます。

改善に向けて積極的に御検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

1.弾窓の運用改善

(1) 弾窓の運用の明確化・合理化

 いつ弾窓が出るか分からないため、市外へ出張するスケジュールが全く立たない等の問題が広範に生じています。また、国慶節から約1か月間北京に戻って来られない社員がいるなど、弾窓の解除が著しく困難な事例も生じています。

 このため、弾窓の発信に係る予見可能性の確保及びその解除に当たっての合理性の確保について、強く要望いたします。

 

(2) 弾窓への外国人対応機能の追加

 弾窓が出た後に届くショートメッセージにリンクのある「京民通社区服務通道」ミニプログラムが外国人対応となっていないため、社区への報告を行いにくくなっています。改善を要望いたします。

また、弾窓解除のために利用する北京12345についても、日本語又は英語対応にしていただけるよう、改善を要望いたします。

 

2.北京市外での集中隔離終了後の確実な移動の確保

日本から中国に入境し、北京市外で集中隔離措置を受けた後、北京市内に移動できないという事例が頻発しています。車での移動などの一定の要件の下、集中隔離施設から北京市への移動を確実に認めていただけるよう、強く要望いたします。

 

3.外国人用健康宝の改善

外国人用の健康宝について、中国人用の健康宝と同様に市外で受けたPCR検査の結果を反映するようにしていただけるよう、改善を要望いたします。

 

4.北京市内の隔離施設の環境改善

北京市内の集中隔離施設には、老朽化したホテルや入居者のいない新築の公寓なども含まれており、中には、マットレスのないベッド、座面の傾いたパイプ椅子、暖房の効かないエアコン等の不良な設備や、内装の溶剤の匂いが強く残った部屋もあったと聞いております。また、バスタオルの設置がなく、それを指摘しても持ってきてもらえなかった事例があったとのことです。

集中隔離施設は、初めて中国を訪れる出張者にとっては、中国の第一印象を形成する施設になります。価格に応じた選択制の導入も含め、可能な限りの環境改善をお願いいたします。

 

5.日本人が居住する公寓における在宅健康観察の確実な実施

日本人が居住する公寓の中には3日間の在宅健康観察を認めていない所が散見されます。集中隔離施設の中には日本人にとっては快適に過ごし難い所もあるため、日本人が居住する公寓においては、全て3日間の在宅健康観察を認めるべく御指導いただきますよう、要望いたします。

 

6.周辺地区に居住する社員の通勤の確保

北京市に隣接する河北省燕郊や天津市に居住する職員が出勤できない状況が生じています。北京市内へ通勤する人口動態に合わせて、合理的な移動規制を行っていただきますよう、要望いたします。

 

7.登校規制の緩和

生徒又はその同居人(親)が北京市外から戻った後、当該生徒は7日間学校に通学できないとする規制は厳し過ぎるので、緩和していただきますよう、要望いたします。

 

8.PCR検査における登録手続の簡素化

   多くの市内のPCR検査所において、外国人はパスポートを提示し、係員に氏名及びパスポート番号を手入力してもらう必要があります。これは時間がかかるだけでなく、情報の登録に誤りが生じやすく、検査結果が北京健康宝に適切に反映されないおそれがあります。一部の検査所では、QRコードの活用による登録の簡略化が図られていますが、市内の全ての検査所において、QRコードを活用するべく御指導いただきますよう、要望いたします。

 

(以上)